エラン・ヴィタール

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エラン・ヴィタール

 そびえ立つコンクリートの柱から、魂が昇っていくのが見えるかい?  青の光、  赤の光、  緑の光、  黄色の光。  あれは全て、僕らの生命なんだ。〝命の灯〟と言い換えてもいい。  僕らは表明しなくては。   〝ココにいる〟ことを報せなくては。  たかだかの〝数字〟で表せる〝命〟ではないと、世界に報せなくては。  〝ハローハロー。三番線の男の子。僕の名前を知っていますか? ――できるなら、僕の名前を呼んでいただけませんか?〟    返事があるまで、僕らは飛び立たなくては。  あの空の光を閉ざさないために。  誰かが見上げる空を、照らすために。    明後日の48番目。――――僕も飛び立たなくては。  語り手のいない物語は、きっと途切れてしまうのだろう。  けれど――――。image=490293735.jpg
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