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「久し振りだな……あいつらは元気にしてっかな?」
満月が輝いている夜、一人の黒い着流しを着た短く切った黒髪に黒目の男が誰もいない古びた神社の鳥居の下に座ってそう呟いた。
「銀月様、お待たせしました。周りに人影はありませんでした」
男のすぐ近くに腰まで長い銀髪を持つこちらは袴を履いているが、同じく黒色の着流しを着た女性が何かを調査していたのかそれを報告する。
「ん、ありがと雪。それじゃあ行こうか幻想郷に」
「はい」
男の姿が変わり、髪が銀色に変わり眼の色が銀色にある。更に三角の狐の耳が頭に現れフサフサの銀の毛並みの尻尾が現れる。
しかし、その数
十三本
「では私も」
雪と呼ばれた女性にも狐の耳と九本の尻尾が現れる。髪と瞳の色は変わらず銀髪金眼だ。
男が目の前に手をかざす。
するとその手をかざした空間が裂けるように開く。その裂けた空間には複数の目玉がギョロギョロとしている。
「行こうか」
「はい」
二人はその目玉だらけの裂けた空間に入る。二人が通り終わった後にその空間は元のように閉じた。
そこを通った先にあるのは─幻想郷─
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