プロローグ?

3/4
前へ
/48ページ
次へ
ピクリ 銀月が幻想郷に入った頃、大きな金毛の三角の狐耳が大きく一回動く。 その耳の持ち主が身体を起こす。 「藍、起きたかしら?」 寝室の扉の向こう側から声が聞こえる。 「ええ、紫様もですか?」 扉の向こう側にいるのは藍と呼ばれた女性の使えている、言わば上司の様な存在だ。 名を八雲 紫。 「そうね。久し振りに彼等の妖気を感じたからかしらね。それともう妖気を隠されちゃったから、彼等の捜索は明日からにしましょうか」 「はい」 「それじゃあおやすみ」 「紫様も、お休みなさい」 紫は扉から離れて自室へと戻っていく。 「銀月……」 ふと呟いた藍のその口調は少し嬉しそうにしていた。 藍は一度闇夜で輝いている満月を眺めてから再び眠りについた。
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

231人が本棚に入れています
本棚に追加