②響君と雪乃ちゃんとマリモの贈り物

16/28
223人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
「……お願いっ……離しっ……ぁあっ!」 俺の頭を引き剥がそうとしてか、雪乃ちゃんが俺の髪を掴んで引っ張る。 ちょっと痛いが負けじと強く吸い上げると、雪乃ちゃんは呆気なく二度目の精を俺の口の中に吐き出した。 「……ぁっ……」 ゴクリと飲み込むと喉の奥に苦味が残る。 でも雪乃ちゃんのモノだと思えば嫌じゃない。 「……ごめんなさいっ……僕っ……」 はぁはぁと息を乱しながらも、雪乃ちゃんがポロポロと涙を溢す。 「俺の方こそごめん。嫌だったよね?」 身体を乗り出して雪乃ちゃんの頬に触れてその涙を拭うと、雪乃ちゃんは目を伏せて「……違う……」と小さな声で答えた。 「……嫌とかじゃ……なくて。僕っ……その……」 「あ、口の中に出したのが嫌だった? 俺は別に平気だけど……ごめんな」 前髪を掻き分けながら雪乃ちゃんの頭を撫でると、雪乃ちゃんは涙で濡れた瞳で俺の顔をじっと見つめる。 「……望月先輩、僕の事嫌いになりました……?」 「は? 何で?」 「……だって、僕っ……」 .
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!