②響君と雪乃ちゃんとマリモの贈り物

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今日も午前中は倉本先生の数学の補習があった。 昼には終わり、玄関で上履きを履き替えて校舎を出ると。 「望月ー」 緑の物体……いや、マリモが上からポトリと俺の頭の上に落ちてきた。 もう慣れたね。 これくらいじゃ驚かなくなったし。 しかもこのマリモ、どうやら他の人には見えないらしい。 「何だよ」 頭の上に乗っかったマリモを掴んで下ろすと、マリモは何やら葉っぱで作られた小さな包みを持っている。 何かこれ、トト〇で見たことある。 中身はドングリか? 「望月ー、これ雪ちゃんにあげてネー」 「雪乃ちゃんに?」 俺が指先でその葉っぱの包みを受け取ると、マリモは小さな口で笑い。 「お願いネー」 俺の手の中から這い出し、ピョンピョン跳ねるように地面に飛び降りて消えてしまった。 雪乃ちゃんに渡すのはいいけど……次にいつ会えるか解んないんだぞ? .
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