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この世界はすでに崩壊が始まっていた。
世界を救う方法はただ一つ。彼女の能力で僕の魂を過去の自分に飛ばすというものだった。
こんな大それた事をすれば彼女はこの世界の理から外され、もともといない存在に修正されるだろう。
『そろそろ始めなきゃ』
彼女は能力を発動させると、今にも泣きだしそうな顔をして構える。
『そんな顔しないでよ』
僕は困りながらそう言った。
『最後くらい、笑ってよ』
僕が笑ってそう言うと、彼女も『そうね』と言って笑った。
『最後くらい、いいわよね...うん、最後だもんね』
彼女は僕に抱き付き、キスをした。
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