大晦日の大勝負

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  画面にはメールのタイトルと送信者の名前が映っている。 絶対に間違うことのない、俺の想い人の名前が。 “ 送信者:斉藤 香苗 ” “ (title) Re:年末 ” 彼女との出会いは数ヶ月前。 友人と訪れた居酒屋で、ばったり昔馴染みと遭遇したのがきっかけだった。 彼女は、その昔馴染みの同僚らしくその日数人で食事に来ていた。 * 『タカ、』 『うぉ!航也じゃん!』 久しぶりだな!と陽気に返してくる懐かしい顔。 学生時代の俺はいつも大体五人程でつるんでいたのだが、特に仲が良かったのが今マネージャーとして隣に居るジンと、このタカだ。 高校、大学と一緒で馬鹿ばっかやってギャーギャー騒いだ悪友。 卒業してしばらくは頻繁に会っていたが、タカはサラリーマンになって仕事が忙しく、俺とジンも舞台やテレビの仕事が段々と増えてきて自然と会う機会は減っていった。 確かあの時、顔を会わせるのは半年くらいぶりだったと思う。 久しぶりの気の置けない友人との偶然の再会にパシン、とハイタッチを交わし、テーブルを見やるとそこには、きゃ、と嬉しそうに笑った女の子が二人と、驚き顔の男が二人。 そしてきょとんと立ったままの俺と俺の友人を見上げる女の子が、一人、視界に入った。 『なんだよお前、合コン?』 『こいつら会社の同僚だよ、お前らも一緒に飲もうぜ』 * 学生時代の悪友との再会が、まさかこんな展開を生むなんて誰が想像できただろうか。 今自分で思い返しても驚くばかりだ。  
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