大晦日の大勝負

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彼女、斉藤香苗さんはタカの勤めている会社で“ 営業事務 ”という職に就いているらしい。 仕事内容は詳しくは知らないけれど、いわゆるOLってやつだってことはわかった。 以前、ジンに想い人がいるとバレたとき、一体どんな女だと色々と聞かれたが、特に特記すべき事はないというのが正直なところ。 彼女の容姿は特別美人なわけではなく、どちらかというと素朴な雰囲気で中肉中背。 背が低くて可愛らしいわけでも、長身でモデルのようなきりっとした綺麗系、ってわけでもない。 今まで俺の周りにいた女の子たちはどっちかっていうと彼女とは正反対の、特記すべき事がたくさんある子たちだった。 可愛いだとか、綺麗だとか、背が高いとか、低いとか…胸が、おっきいとか、その他色々。 そりゃ、惚れた腫れたには興味がなかった俺だって男だから、自分とは違った女らしい身体に興味はあるし触れれば気持ちいいと感じるわけで。 相手を選りすぐったつもりはないけれど、気付けば縦横無尽にあっちもこっちも結講派手に目立つ処でやらかしてしまっていたときも、過去あった。 時間が空けばあの子、この子と気が向いた相手を呼び出したりして…。 当時ジンには「マジでお前何でも良いんだな」と『何でも屋』と呆れられてたっけ…。 そんな、俺がだ。 今、一人の女性、しかも週5で定職に就いているOLに惚れていて、メール一つでびくついているというんだから人生何があるかわからないものだ。  
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