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繁華街に向かって歩く3人
レンガ作りの町並み
「お母さん、今日は風神様に会えるかなぁ?」
蓮の花を手、一杯にもつ少年が聞いている
「さぁ?まだ、病に伏せてると仰られているからね」
「僕、どうしてもお礼が言いたい!!お母さんを助けてくれた人だもん!!」
聞こえた広美
「何あの子。風神、こころあたりある?」
「え?」
「ヒロミさん!ふーちゃんて呼ばないと!危ないですよ!」
「あ、そっか!危ない危ない」
文江は少年に向かって歩き始めていた
「ちょっと!ふーちゃん!」
少年の前で屈む文江
「えっと、ナオトくんだったかしら?」
「うん!あれ?」
「ナオト、そのおねぇさんと知り合い?学校の先生?」
「ふ、、風神様ーー!!!!」
抱きつく直人
文江は直人を抱きかかえながら立ち上がる
「はいはい、ナオトくんだったのね。お母様はお体の具合、如何ですか?」
「ふ、風神様!?ほ、本物!?」
一気に人だかりが出来た
ナオトがコートのフードを取り払ってしまった
「風神様!元気になって良かった!お母さんの事、ありがとう!やっとお礼が言えた。落としちゃったけど、お花、受け取って!」
「ありがとう、ナオトくん」
受け取る文江
「風神様がいらっしゃったぞーー!!!」
男が呼びかける!
「風神様、おめでとうございます。お体は大丈夫ですか?もう、よろしいのでしょうか?」
たちまち、人だかりが出来き、献上する品をもっている人は文江に渡してくる。
風神様という声かけは、もう、止まらない
「あんの馬鹿娘!なんの為のお忍びよ?退いた退いたー!」
広美は悪態つきながら、文江の元へ急いだ
快気祝いといわんばかりに献上品の花束の花をちぎり、文江の頭に花のシャワーが降り注ぐ
そこにジャンプして空から舞い降りる広美
「風神のドアホ!!」
広美は文江の頭を叩いた!
「ごめんなさい、ヒロミさん。つい」
「風神様はまだ、病み上がりなので、お手柔らかにお願いしまーす!」
祐子が叫ぶものの、もう、お祭り騒ぎで収集がつかない
「ちょっと、道あけてー。献上品は王宮に持っていって~。これからあたし達、『視察』にしに行くから!」
素直に道をあけてくれる民
「風神様ー!お祝いもうしあげます!」
呼びかけられる度に
「ごきげんよう」
と返す文江
もう、コールの嵐は止まらない
「風神様ー」
「ごきげんよう」
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