第2章 ~JALの休日~

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繁華街に向かって歩く3人 レンガ作りの町並み 「お母さん、今日は風神様に会えるかなぁ?」 蓮の花を手、一杯にもつ少年が聞いている 「さぁ?まだ、病に伏せてると仰られているからね」 「僕、どうしてもお礼が言いたい!!お母さんを助けてくれた人だもん!!」 聞こえた広美 「何あの子。風神、こころあたりある?」 「え?」 「ヒロミさん!ふーちゃんて呼ばないと!危ないですよ!」 「あ、そっか!危ない危ない」 文江は少年に向かって歩き始めていた 「ちょっと!ふーちゃん!」 少年の前で屈む文江 「えっと、ナオトくんだったかしら?」 「うん!あれ?」 「ナオト、そのおねぇさんと知り合い?学校の先生?」 「ふ、、風神様ーー!!!!」 抱きつく直人 文江は直人を抱きかかえながら立ち上がる 「はいはい、ナオトくんだったのね。お母様はお体の具合、如何ですか?」 「ふ、風神様!?ほ、本物!?」 一気に人だかりが出来た ナオトがコートのフードを取り払ってしまった 「風神様!元気になって良かった!お母さんの事、ありがとう!やっとお礼が言えた。落としちゃったけど、お花、受け取って!」 「ありがとう、ナオトくん」 受け取る文江 「風神様がいらっしゃったぞーー!!!」 男が呼びかける! 「風神様、おめでとうございます。お体は大丈夫ですか?もう、よろしいのでしょうか?」 たちまち、人だかりが出来き、献上する品をもっている人は文江に渡してくる。 風神様という声かけは、もう、止まらない 「あんの馬鹿娘!なんの為のお忍びよ?退いた退いたー!」 広美は悪態つきながら、文江の元へ急いだ 快気祝いといわんばかりに献上品の花束の花をちぎり、文江の頭に花のシャワーが降り注ぐ そこにジャンプして空から舞い降りる広美 「風神のドアホ!!」 広美は文江の頭を叩いた! 「ごめんなさい、ヒロミさん。つい」 「風神様はまだ、病み上がりなので、お手柔らかにお願いしまーす!」 祐子が叫ぶものの、もう、お祭り騒ぎで収集がつかない 「ちょっと、道あけてー。献上品は王宮に持っていって~。これからあたし達、『視察』にしに行くから!」 素直に道をあけてくれる民 「風神様ー!お祝いもうしあげます!」 呼びかけられる度に 「ごきげんよう」 と返す文江 もう、コールの嵐は止まらない 「風神様ー」 「ごきげんよう」
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