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『風神様ー!』
『風の巫女ー!』
『風の姫君ー!』
手を振ってそれに応える文江
文江が通った後はゾロゾロと人がついてくる
「もう!お忍びだったのに!誰が凱旋パレードやれっつった!?ん?」
「本当、ごめんなさい、ヒロミさん」
苦笑いをする文江
「ここに入るわよ!」
グレイスホテルと書いてあった
ラウンジは瞬く間に満席となり、静かになった
支配人が来る
「風神様、本日はご来館、ありがとうございます」
「私たちは普通にお茶しに来たかったのよ?お忍びで!」
広美はまだ怒っている
「ヒロミさん、私が悪かったわ。もう、怒らないで?」
「お茶でございますか?専門店ではないので、ご期待に添えられるかどうか。今から手配いたします。しばらく・・・」
「普通にあたしの大好きな『ここの』ダージリンとアフタヌーンティーセットを三つお願いします。ふつーに出してください!」
満席の席からは広美のそれを聞くと、私達も!とアフタヌーンティーセットを頼み始めた
直ぐにダージリンが運ばれてきた
「3分ほど、蒸してからお飲み下さい」
「ありがとう」
文江は笑顔で答える
ウェイターの女性は
「もったいないお言葉でございます!」
顔を赤くして戻っていった
ほどなくして運ばれてきたものは
3段に分かれ、スコーンやら一口ケーキやら、フルーツと沢山乗っていた
「美味しそうでしょ?うん!美味しいの!ここで、ゆーーっくりと一息つきながら食べるのが好きなの。今日は、誰かさんのせいでゆっくりできないけど、しかも、数ヶ月間は予約で満席でしょうね!なんでこんなに、愛されてるの?ま、別にいいけどさ」
「美味しいですね」
「でしょ!?ゆーこちゃん、おいしいよね!」
文江も飲み、ティーカップを下ろすと
「本当に美味しいですわ。このチョコケーキも美味しい」
「風神、チョコ好きなの?じゃぁ、あたしのあげるから、変わりにスコーン頂戴ってか、ろくに会話もできやしない・・・周りは追加でチョコケーキ入れてるわよ。もー、あたしのお気に入り!」
鐘の音が鳴り響く。結婚式場も備えてあるグレイスホテル
カラーン!カラーン!カラーン!
「ふーちゃん、結婚式みたい!」
「素敵ね!」
そういって文江は立ち上がると
「花婿さーん!花嫁さーん!お幸せに!」
『『ふ、風神様!?』』
囲んでいる人達は
「風神様に祝福してもらっちゃってー!焼ける!えぇぇ!?」
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