第2章 ~JALの休日~

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『風神様ー!』 『風の巫女ー!』 『風の姫君ー!』 手を振ってそれに応える文江 文江が通った後はゾロゾロと人がついてくる 「もう!お忍びだったのに!誰が凱旋パレードやれっつった!?ん?」 「本当、ごめんなさい、ヒロミさん」 苦笑いをする文江 「ここに入るわよ!」 グレイスホテルと書いてあった ラウンジは瞬く間に満席となり、静かになった 支配人が来る 「風神様、本日はご来館、ありがとうございます」 「私たちは普通にお茶しに来たかったのよ?お忍びで!」 広美はまだ怒っている 「ヒロミさん、私が悪かったわ。もう、怒らないで?」 「お茶でございますか?専門店ではないので、ご期待に添えられるかどうか。今から手配いたします。しばらく・・・」 「普通にあたしの大好きな『ここの』ダージリンとアフタヌーンティーセットを三つお願いします。ふつーに出してください!」 満席の席からは広美のそれを聞くと、私達も!とアフタヌーンティーセットを頼み始めた 直ぐにダージリンが運ばれてきた 「3分ほど、蒸してからお飲み下さい」 「ありがとう」 文江は笑顔で答える ウェイターの女性は 「もったいないお言葉でございます!」 顔を赤くして戻っていった ほどなくして運ばれてきたものは 3段に分かれ、スコーンやら一口ケーキやら、フルーツと沢山乗っていた 「美味しそうでしょ?うん!美味しいの!ここで、ゆーーっくりと一息つきながら食べるのが好きなの。今日は、誰かさんのせいでゆっくりできないけど、しかも、数ヶ月間は予約で満席でしょうね!なんでこんなに、愛されてるの?ま、別にいいけどさ」 「美味しいですね」 「でしょ!?ゆーこちゃん、おいしいよね!」 文江も飲み、ティーカップを下ろすと 「本当に美味しいですわ。このチョコケーキも美味しい」 「風神、チョコ好きなの?じゃぁ、あたしのあげるから、変わりにスコーン頂戴ってか、ろくに会話もできやしない・・・周りは追加でチョコケーキ入れてるわよ。もー、あたしのお気に入り!」 鐘の音が鳴り響く。結婚式場も備えてあるグレイスホテル カラーン!カラーン!カラーン! 「ふーちゃん、結婚式みたい!」 「素敵ね!」 そういって文江は立ち上がると 「花婿さーん!花嫁さーん!お幸せに!」 『『ふ、風神様!?』』 囲んでいる人達は 「風神様に祝福してもらっちゃってー!焼ける!えぇぇ!?」
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