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「行ったな」
瑠鹿は祐樹を寝かせながら3人が森へ入った事を確認した。
祐樹を寝かせて瑠鹿から切ない溜息が零れる。
「ユキは目覚める。ライトの記憶を持って・・・」
その面影は暗く、地面だけを見つめていた。
「なんでそんな事をしたんだ!俺達の問題だけにしておけば良かったんだ!!」
史は驚愕し吠えた。いや、分かっていた。頭の中では何が起きていたのか分かっていたのだ。分かっていたけれども、けれども内側から溢れる熱い想いを出さずには居られなかった。
「全てを説明しろとユキは言った。言葉で説明するよりも・・・このほうが、効率的で、現実を見る事ができる」
「それは、そうかも知れない。だが、お前の居場所はどうなるんだ!?」
拳を握り締め、ワナワナと震えだしている史に
「俺の居場所・・・どこだろうな。結局、水晶宮(クリスタルパレス)だろ。そこにしかないのだろう」
「仲間なのに!やっと仲間なのに!なんで水晶宮なんかに!!」
「あと、もう一つは、ユキ。いや、ライトの光で消される事。俺は不老不死の身体になってしまった。最初の魂から記憶を引き継がれる時に」
「イェーガーも?俺も、不老不死だ」
顔を見合わせる二人。
「な!?では、もう、輪廻は無いのか!?お前ももう、死ねないのか!?俺はライトの神の光で消滅はできる。死ぬことができる。お前は・・・・」
「そうだな。俺は生き続ける。ただ・・・ライトは、お前が強制的に目覚めさせただけだ。ライトはそのうち、寿命を迎えるだろう」
「なんで何時も何時もいつも!!こう、上手く行かないんだ!!お前を孤独にさせる事は考えてなかった」
「お前が悪い・・・」
「全て俺のせいかよ!いつも、そう言うな貴様は!」
「落ち着け!イェーガー!今はユキさんの回復だ!」
「そうだけど!!お前の永久の孤独が・・・」
瑠鹿は慈愛と悲しみの視線を祐樹に向けた
「お前でも、そういう顔をする事ができるのだな・・・イェーガー」
「ふんっ。時代だ。仲間だ。瑠鹿だ!ユキの兄貴だぜ?」
ガサガサっと音がした
八雲達が戻ってきたのだ
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