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「この話は一度、打ち切りだな。アクリアヌス・・・ユキを膝で抱いていていいか?もう、俺がダメになるかもしれない。心の闇が水晶宮(クリスタルパレス)に行けと・・・」
「そんな事はさせない!行かせない!お前をまた孤独な世界に放り込みたくない。ユキさんは・・・お前の弟だろ?抱きかかえていて、何が悪いのだ?」
「ユキ・・・」
瑠鹿は泣きながら、祐樹、祐樹と連呼した。祐樹の服が瑠鹿の涙で濡れるくらいに
「瑠鹿さん・・・」
「ヤクモ、そっとしておこう?僕たちは少し離れたところで火を焚こう」
「う、うん・・・」
「ユキ、ごめんな?おれ、お前の兄ちゃんになるって約束したのに、守れなくて。何もかもが裏に出て。最悪な兄ちゃんだ・・・」
瑠鹿は祐樹の頬を撫でた
その時、祐樹は心の中にいた。そこは白く境界線も何もない空間
「そんな事はないよ!ケンカっ早いけど、勇敢で優しくて、正義感の強い、とっても良い、自慢のお兄ちゃんだよ!」
そこには水を張った池があり、そこから、今までの光景を見ていた。
「ルカ兄ぃ!僕、ここから動けないよ!どうしたらいいの!?ルカ兄ぃ!!助けて!!」
水面が揺れ、人が出てきた
『ユキ君』
「あなたは?」
『あなたの最初の魂。そして僕は君。君は僕。ホスピス家のライトだ。ライト=ホスピス。君の名前で僕の名前。辛いかい?』
「ここから出してください!!ルカ兄ぃの所に行かなきゃ!ルカ兄ぃ、泣いてる・・・」
『ダメだよ。ルカ君、いや、イェーガー=ギガスは僕たちの敵だもの。記憶はイェーガーが見せてくれたでしょ?悲しいものだね』
「敵なんかじゃない!兄です!」
『でも、彼は悪魔を使役する魔王。しかも、不老不死の力を手に入れた。彼を殺せるのは君だけ。神の光だけ。君に死なれては、神の光が無い状態で、彼らはどうなると思う?・・・ねぇ、お兄ちゃんを殺せる?イェーガーを』
「イェーガーなんて呼ばないで!ルカはルカです!殺せるわけない!」
『本人がそれを望んでも?』
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