第1章 ~王家の紋章~

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『「その言葉、忘れぬでないぞ?言の葉は契約も同然だからな。分かった。これを」』 卑弥呼の光の輪の中から 「この切り身は?」 『「人魚の肉だ」』 「失敗して妖怪になってしまったら・・・」 『「この私がそんな事をするか。覚悟があるなら食べろ」』 祐樹は受け取り、人魚の肉を口にした (熱い・・・体が燃えるように熱い!!) 『時間みたいだね。君はライト=ホスピス。忘れないでね』 『「悪かったな。そこに居る魂よ。お前の神の光に着目し、龍神の神子としての能力とした事を」』 『いいえ。いいのです。神が嘆く時。涙を流す時。神の涙は傷を癒すだけでなく、心も身体も癒すのですから・・・ギガス、ソロモン、ライト、頑張って』 『「さて、干渉する者よ!我はアマテラス。全てを見据えるものぞ。どけ!」』 干渉がなくなると 最初の魂は微笑みながら祐樹を浮上させ、見送った ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「どうしたっていうんだよ、ユキ・・・」 瑠鹿は祐樹の上半身を脱がし、背中をタオルで拭いていく 「絶対、ルカさんのせいだと思いますよ?」 史は腕を拭いていく 「え?」 史が驚いた一瞬だった 両手首から棘が何本も這うように刻印され、肘、肩、鎖骨に走っていく そして、鎖骨に到着し、鎖骨の両骨の間、くぼんでいるところに緑色の石がはめこまれた。そして緑の発光体が身体から出てくる 史は慌てて、背中に手を伸ばし支え、叫んだ 「神の光だ!退け!!」 「なっ!?」 瑠鹿は咄嗟に横に転がり、避け、焚き火に突っ込んだ 「ユキ!!!」 祐樹は神の光を放ちながら上昇する その背後には知らない男と女が浮かびあがる 「ライト!?ユキさんを離せ!!」 光が収縮し、祐樹が降りてくる 「ユキ!」 「まだ来るなイェーガー!」 駆け寄ろうとした瑠鹿を史が制する 降りてきた祐樹の目は開き、光が宿っていた 「ユキさん、お帰りなさい」 「ただいま。アクリアヌス・・・うん、違うね。フヒト、ただいま」 目を見開いたが全てを悟った史だった。 「ユキさん。いえ・・・ライト。もう、戻れないんですね?」 「うん。ごめんね」 そっと祐樹は史を抱いた
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