9人が本棚に入れています
本棚に追加
「ユキさん・・・今の男はライトです。最初の魂に会ったんですね?」
「うん。会ったよ。全部わかってる。ルカ兄ぃ!」
駆け寄る瑠鹿
「無事でよかった・・・ユキ!!」
熱く、そして硬く抱きついた
「大丈夫。大丈夫だから。僕たちは上手く行く。イェーガーでもルカでも、お兄ちゃんだよ」
「ユキ、お前、記憶を見てないのか?普通、引くだろ」
「全部見てたし、聞いてたし、初代ライトさんにまで会って、卑弥呼様にもあって。ルカ兄ぃ、怒らない?」
上目遣いで祐樹が瑠鹿を見る
「時と場合によるけど・・・怒らない。今回は」
「卑弥呼様から貰って食べちゃった。その・・・人魚の肉を」
目を見開く瑠鹿と史
「こんの馬鹿野郎!!」
祐樹を叩こうとする瑠鹿
「怒らないって約束でしょうが!!」
振りあがった右手を史が抑える
「2人とも、不老不死でしょ?3人で平和に暮らそう?ね?」
「ユキ、それでもお前が何で、人魚のに」
祐樹は途中で遮った
「いいの!過去の記憶を見ても、どっちも正しいし、どっちも悪い。ここで、悲しみから抜け出すの。僕たちで!僕たちで、この因果を断ち切るの!」
目を輝かせる史とは違い、瑠鹿は視線を地面に落とした
「ライト・・・」
「ルカ兄ぃ、僕はユキ!ライトじゃない!」
「そう言われても・・・見ろ、右の手の甲を。これは、ギガス王家の紋章。こっちのフヒトのはソロモン王家の紋章。で、ユキの身体に刺青のごとく走る棘と、鎖骨の緑の鉱石・・・それが、ホスピス王家の紋章だ」
最初のコメントを投稿しよう!