第1章 ~王家の紋章~

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「ユキさん・・・今の男はライトです。最初の魂に会ったんですね?」 「うん。会ったよ。全部わかってる。ルカ兄ぃ!」 駆け寄る瑠鹿 「無事でよかった・・・ユキ!!」 熱く、そして硬く抱きついた 「大丈夫。大丈夫だから。僕たちは上手く行く。イェーガーでもルカでも、お兄ちゃんだよ」 「ユキ、お前、記憶を見てないのか?普通、引くだろ」 「全部見てたし、聞いてたし、初代ライトさんにまで会って、卑弥呼様にもあって。ルカ兄ぃ、怒らない?」 上目遣いで祐樹が瑠鹿を見る 「時と場合によるけど・・・怒らない。今回は」 「卑弥呼様から貰って食べちゃった。その・・・人魚の肉を」 目を見開く瑠鹿と史 「こんの馬鹿野郎!!」 祐樹を叩こうとする瑠鹿 「怒らないって約束でしょうが!!」 振りあがった右手を史が抑える 「2人とも、不老不死でしょ?3人で平和に暮らそう?ね?」 「ユキ、それでもお前が何で、人魚のに」 祐樹は途中で遮った 「いいの!過去の記憶を見ても、どっちも正しいし、どっちも悪い。ここで、悲しみから抜け出すの。僕たちで!僕たちで、この因果を断ち切るの!」 目を輝かせる史とは違い、瑠鹿は視線を地面に落とした 「ライト・・・」 「ルカ兄ぃ、僕はユキ!ライトじゃない!」 「そう言われても・・・見ろ、右の手の甲を。これは、ギガス王家の紋章。こっちのフヒトのはソロモン王家の紋章。で、ユキの身体に刺青のごとく走る棘と、鎖骨の緑の鉱石・・・それが、ホスピス王家の紋章だ」
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