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「王家の紋章がなんだと言うのですか」
祐樹は瑠鹿を睨んだ
「もう、口調がライトじゃないか・・・それが俺らの距離なんだ」
2人は見つめ合い、無言になった
「貴方が!!」
口を開けたのは祐樹だった
「ルカ兄ぃが…この棘が、あなたの心を刺すならば、この紋章が邪魔ならば…」
祐樹は立ち上がり歩きだし、声は段々と強くなる。
「おい?ライト?」
突然立ち上がった祐樹を不信に思った瑠鹿
「この鉱石の輝きがあなたの目を潰し!苦しめるのであれば!!」
祐樹は焚き火の中から、先が真っ赤な木を取り出して
「こんな物、いらない!!!」
肉の焼ける音がした
ジュッ。
ジュー
「ユキ!!馬鹿!?」
瑠鹿は悲鳴をあげ、祐樹から燃え滾る木欠を剥がそうとした。だが、祐樹は固く持ち、それを許さない。
自分を焼き続ける祐樹
「貴方が!!貴方が望むのであれば!!!」
引き剥がそうとする瑠鹿
「タカコ!見てないで、ウォーターボール!早く!」
「ご、ごめ、『ウォーターボール!』」
ずぶ濡れになる瑠鹿と祐樹
「このまま、頭、冷やしてろ!クソガキ!!!」
瑠鹿は祐樹に足払いをして、地面に叩きつけた。
そして、茂みの闇へと消えて行った
祐樹は泥にまみれ、仰向けになると、右腕を目に落とし、涙を隠していた
「ルカ兄ぃーーー!!!!」
天に吠えた
涙は火傷の痛みではなく
クソガキと言われた。瑠鹿に拒絶された
それが耐えられなかった
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