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「…え、えっと…姫ちゃん…でいいのかな…?」
『君が航だな?…沖相波瑠だ。好きに呼んで』
「じゃあ、波瑠ちゃんっ!…なんで波瑠ちゃんがそこに座ってるの?」
…?…そこって、このソファーか…?
「わたるん、相変わらずバカだねー」
「なにー!?つきくんに言われたくなーいっ!!」
かわいい争いだな。
「…あぁ、そういうことか」
「え、拓斗(タクト)は何が分かったんだ!?」
「…そういや、理久(リク)。お前もバカだったな…」
「こ、この…っ!バカにしやがってっ!!」
よく争う奴らだな…。
まあ、“喧嘩するほど仲がいい”って言うしな…。
「……令嬢だろ」
「「おーっ!そうか。…って、何でわかったの(んだ)?」」
無口だと思ってた奴がしゃべった…。
「……」
…と思ったら、また無口になったし…。
めったにしゃべらねぇのか、こいつ。
「名前、ですよ。“沖相”って、あの有名な財閥ですよね」
『ああ。有名かどうかは知らないが…』
《おおーっ!》
うちの奴らも歓声あげてるし…。
なんなんだ、こいつらは。
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