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「…ところで姫様。皆様のお名前はご存知なのですか?」 『いや。直稀と航以外の名前はまったくだ』 「あ、そうだったー。波瑠は初だもんねっ」 「じゃあ、直稀。お前から自己紹介してけよ?」 「翔っ!そこは僕からでしょ!?」 「うるせぇ」 この2人の争いは放っておこう…。 「…さっきも言ったけど、織逢直稀。覚えろよ」 覚えろって…2回目なんだけど。 やっぱりこいつはバカなのか…? 「…三神 裕明(ミカミヒロアキ)。…俺が慣れるまで構わないでくれ」 緑頭はただの無口じゃなくて、人見知りなのか…。 面白ぇな…。 「後嶋(ゴトウ) 拓斗。全員、俺のパソコンには触れんなよっ!!」 そのパソコンにデータが入ってんのか。 つーか、黒髪で真面目だと思ったら白メッシュ入れてんのかよ。 「帆影(ホカゲ) 理久だっ!俺、うるせぇけど気にすんなよっ!!」 あ。自分で言うのか、こいつは。 『…理久。みかんは好きか?』 「ん?大好物だぜ!!…なんで?」 『…髪がオレンジだったから』 大好物、か。好きすぎてこの髪色にしたのだろうか…? まさか、食べ過ぎて…っていうことはないだろうな…。 「僕、五十嵐(イガラシ) 航っ!!桜は好きだけど、春は嫌いなんだ」 茶髪にピンクのメッシュ入れてんのか。 よほど好きなんだな…。 てか、翔も同じこと言ってた…あれ? 『…桜のピアス、してんのか。』 「え?あ、うん。…宝物なんだっ!」 『そうか。…なくすなよ?』 「もちろんっ!!」 そんな風に“宝物”って言う奴、もう一人知ってるよ。 アタシの身近で、ね。
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