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  外は、未だ暗い。そんな時間に、目が覚める。 ジャージに着替えてから、窓を静かに開ける。隠していた靴を履いて、落ちないように少し降りてから、飛び降りて外に出る。 行き先は決まっている、公園だ。 でも、今日の俺は違う。ジャージに着替えて、窓を静かに開ける。隠していた靴を履いて、魔法使って静かに外に出る。庭、玄関先、家の周りを掃き掃除する為に。庭にある植物は、何があるかを調べながら。 魔法で汚れを落として、家の中に。ボックスから、エプロンを出して袖捲(まく)って、いざ料理開始。 この日は、確か … あ、母さんが風邪引いた日だな。魔法って便利だ、過去の記憶力も漁れるんだから。 冷蔵庫の扉を開けて、在庫確認。母さんには、ふわふわの玉子が入った雑炊を作ろう。生姜を刻んだのも入れて。妹のは、野菜入りのハンバーグを作って、パンに挟んで置こうか。スープは、南瓜のポタージュ。市販品で良いかな。あ、冷蔵庫の奥に南瓜を発見。ラップ外して、電子レンジでチンして柔らかめにしたら、ザクザク切ってからタッパーに。ワタと種は、煮込んで即席ポタージュに。俺のは、野菜入りのハンバーグを焼き肉のタレで煮込んでから、ご飯に詰めて握り飯に。味噌汁は、バターを入れて。 妹宛ての紙に書いて。机に置けば、判るだろう。一人分の土鍋に雑炊入れて、母さんが寝起きする部屋に転移。 母さんが寝込む部屋は、殺風景だ。部屋を窮屈に感じさせる、ダブルベッド。一つには、母さんが。もう一つは、無人。一度も使ってないんじゃないかと思う程に、ベッドは綺麗なまま。サイドテーブルに盆を置いてから、土鍋を置いて。蓮華(れんげ)と市販の風邪薬、水の入ったペットボトルを添えて。  
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