第1章

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 でも、同じ学校の仲間が行方不明になった事はショックで、親たちに内緒で捜索隊を造った。転校生の家のガレージが陥没し、洞窟らしきものが発見されていた。そこを出入り口にして、再び壁に暗号を刻みながら、捜索を続けた。  当ては全く外れていた。行方不明の少年は、海から水死体で発見された。でも、どこかがおかしかった。山側を探すと皆に告げていた。暗号も読める、海に落ちることは無い筈だった。 「もう一つある」  有働先生が、行方不明になった直後に、デキていると噂のあった音楽教師が死亡したのだ。  音楽教師は、自分の車に轢かれた、坂道の自宅で、サイドブレーキのかけ忘れと言われている。助手席に、当時小学生だった自分の子供を乗せていた。子供が降りる前に、自動車が走りだし、止めようと体当たりで飛び出し、ガードレールと車に挟まれた。内臓破裂にて、その一時間後に死亡。 「不思議だよな、肝試しで勝者になって、その当時の仲間と、ずっと親友でいようなって誓い合った。その後のこの事件のせいで、皆秘密を抱えて、喋らなくなった」  全部事故死だ。誰も駆け落ちなんてしていない。しかも、僅かに見えてしまったが、音楽教師は男だった。 「依頼はないけど、気になるよな…」 「否、依頼ならばある。昨日の相談者、息子夫婦に占いをしたことは話したらしい。死体でもいい息子に会いたいそうだ。探してくれたならば、見つけた場合は報奨金?は出すそうだ。警察では占いで捜査は出来ないとさ」  金目当てでは動かないが、どうも色々気になった。 「調査するならば、俺も協力する。俺の祖母はまだそっちに住んでいる。気になって訪ねようと思っていたから、一緒に宿泊するか?」  霊障というより、事件のような気もする。でも、俺は呼ばれている気がする。何に呼ばれているのか、それが気になってしまうのだ。 「行きます!」  御形が返事をしてしまっていた。  蓮が帰った後で、勝手に引き受けて、御形は関係無いだろうと喧嘩になったが、御形も関係があったのだ。御形家に、洞窟から泣く声が聞こえる、きっと息子に違いないので弔って欲しいとの依頼が来ていた。  御形の父が、最終的にはきちんと弔いを行うが、真相を知りたいので事前に調べて欲しいと御形に頼んでいたのだ。  その場所は、蓮の説明してくれた場所と同じだった。 第二章 海の祠2  蓮が帰った後も、御形は不機嫌だった。
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