第一章 海の祠

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 どうしても行ってみたかった、 奥ノ院がどのようなものか知りたかった。  祭りは二晩夜通しで続くが、 真夜中では交代で火を灯し続けるだけで、 他は仮眠していた。 ちょっとだけ、 奥ノ院を見てこよう。 真夜中に洞窟へと入った。  本当の闇の中では、海中電灯では頼りない。 足元に何かがあったと思った瞬間、 頭に衝撃が走る。  事故現場は、洞窟と分かったが、 色々、不審な点が多い。  まずこの女性、祖母らしいが、 何故五年経過した今、相談しているのだろうか。 「優一…」  女性は、消えた優一を探して、 部屋中を歩いていた。
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