第一章 海の祠

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 女性の説明によると、 孫には失踪する前に悪い噂があった。 生徒の親とデキしまったとか、 生徒とデキているとかの類だった。 噂だと信じていたが、 失踪した時期に生徒も一人失踪し、 駆け落ちとの噂になった。 それを激怒した女性の亭主(有働の祖父)が探すなと言ったのだ。 その亭主が亡くなり、 やはり孫の行方が気になってしまった。  女性の言葉に嘘は無かった。 俺も、もう一つ気になっていた謎が解けた。  奥ノ院は、迷路の中に在ると言った生徒は、 何故、 自分達は迷わずに行けるのか教えなかったのだろうか。 それは、 デキているの噂に、何か信憑性があり、 生徒として先生を不審に思っていたのではないか。
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