第一章 海の祠

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 駅前にある、ガラス貼りのビルの一階に、 占いの館と名前の付けられたコーナーがある。 そこは占いの激戦区で、 激戦区と呼ばれているために多くの人がやってくる。 ここに店が出ているということは、 人気がある、 何故人気があるのか?よく当たるに違いない。 そんな、 図式があると皆に思われてきた。  確かに分野によっては当たるだろう、 占いの館に店を出す春日 蓮(かすが れん)の占いでは、 本物の天使が手伝っているのだから。  仕切られた一室、ビロードの赤いカーテンの中では、 蝋燭の火が燃え、 相談者が蓮に相談事を話している。 カーテンの後ろに居るのは、 俺、黒井 典史(くろい てんし)と、 俺の従兄の雑賀 直哉(さいか なおや)だった。
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