第一章 海の祠

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 俺は、灰を媒体に霊を実体化することができる。 そっと、 女性の横に灰を飛ばしてみたが、 何も起こらなかった。  蓮が、カーテンを揺らす。 揺らしている方向から察するに、 俺が灰を飛ばした場所が違っている。 蓮から、向かって右側らしい。  再び灰を飛ばすと、 青年が浮かび上がってきた。 「優一!」  女性が抱き付こうとして、 灰が飛ばされたのか消えてしまった。  再び灰を飛ばしてみたが、 もうどこに居るのか分からない。 蓮の指示を仰ごうと、カーテンの隙間から中を覗くと、 蓮が茫然としていいた。  実体化した霊と、知り合いだったのか。
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