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突然、声をかけられ
反射的に振り向く。
「あっ…」
『人だ!』と、思ったのだが…
人…?
春樹の目の前に立った人の様なソレは、鬼の様な角に銀髪の長髪
真っ赤な目をギラつかせていた。
その瞳の赤は、とても充血してるだけとは思えない
服装だってズタボロで
手には、何故か棍棒の様な物を持っている。
声質から男性だとは、思うのだが
人間…だよな?
「あの…仮装大会か何かですか?」
明らかに怪しい男に
春樹は、引いてしまう
だが、残念な事に
道を聞くならば、今は、この人しか居ない様だ。
逃げる訳にもいかない
「何を訳の解らん事を言ってる」
眉を寄せる男
早く道を聞いて、さよならしたい。
「どうやら道に迷ってしまった様で
大通りには、どう行ったら出られるのでしょうか?」
春樹は、怪しげな男に尋ねてみる。
「道に迷ってこんな所に来るとは、どんな神経をしてるのやら」
フッと、少し見下され
鼻で笑われてしまった。
「そんなに可笑しい事でしょうか?」
思わず、ムッとしてしまう春樹。
「まぁ良い
町に出たいなら北に100里と言った所だな」
と、北であろう方角を指す男
「ひっ100里!?
真面目に教えて下さいよ!」
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