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男は春樹を見つめ、目を見開く
「異界…ふっ…
アハハハハ」
男の言った言葉に、少しキョトンとしつつ
思わず笑ってしまう。
何を言い出すかと思えば
「笑い事では無いぞ」
キッと、春樹を睨む男。
確かに笑い事じゃないかもしれない
この男、コスプレ趣味に加え妄想癖
頭のイカれた危ないヤツだと言う事だ。
「取り合えず、今すぐ精神科に行かれる事をお勧めしょう」
笑いを止め、真剣に彼を見る。
まぁ、既に末期のようだが
「精神科とは何だ?
しかし、本当に不味いぞ
シッ、匂いを嗅ぎ付けられた」
男は険しい顔をし、春樹の口を塞ぐ
そして、ぴちゃりと
男の舌で傷を舐められた。
「ん…」
春樹は、驚いて眉を寄せる。
何だこの男
俺の足を…
気持ち悪い
「ここに隠れていろ、声を出してはならぬぞ!」
男は、そう小声でそう言うと
春樹を木の影に隠した。
あれ?
足、痛くない…
怪我、直ってる?
春樹は、驚きつつ
自分の足を眺めた。
その時だった。
「ぐへへ、確かこの辺り…」
「ああ、旨そうな人間の匂いだ」
「しかも甘そうな良い匂い」
そう言う三匹の…
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