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「食べさせろー!」
と、襲って来る怪物
「ッチ、馬鹿な雑魚が!」
男がそう言うと、目の前が真っ赤に染まった。
一瞬だった。
気づいたら、三匹の怪物が肉片だけになっていた。
「名前は?」
そう男に問われた。
春樹は、ガクガクしてしまい
声が出ない。
この人
怪物
殺した…
「どうした?
声は、戻したはずだが?」
優しそうに問いかける声
でも
怖い…
「おっ…おれっ俺
俺も殺す…のか?
た、食べるのか?」
春樹は、ビクビクと男を見詰めた。
「何故、わざわざ助けた男を食べなければならないのだ?
コイツらは、今晩の俺の夕食にするが。
そうだ、お前の夕食にもなるのだろうな」
フフフと、綺麗に笑う男
「俺、こんなの食べられない…です」
春樹は、チラリと化け物の肉片を眺め
ブルリと震えた。
「ならば貴様、ここで野垂れ死にたいのか?
俺と来なければ、またあんな奴等に襲われるのだぞ?」
困った様に、眉を寄せる男
「嫌だ、一人にしないで
怖い…」
春樹は、男に抱きつく。
「よしよし、お前は可愛い奴だ。
人間は好かぬが、貴様は特別だぞ?」
男は、そう言うと
春樹の頭を撫でた。
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