序章

9/9
前へ
/33ページ
次へ
「名前は?」 そして、再び同じ質問を 「俺は、大宮春樹です」 春樹は、名前を名乗った。 怖いが ここは、本当に異世界の様だった。 きっと夢だ。 そう思うのに… 何処か現実的で ここでは、この男の言う事を聞くしかない様に思えた。 「ハルキか 私は、名前をとうの昔に忘れてしまってね。 名前が有ったかさえ解らないのだ。 名前をつけてくれ、お前が呼びやすいので良い」 男のは、そう言うと 春樹を片手で抱え上げた。 「えっ、えっ」 驚く春樹 「此方の方が早い 我が家に着くまでに良い名前を考えてくれ」 そう言うと走り出す男 春樹は、真っ赤な男の瞳を見詰めた。 不思議な男 怖いのに… 何だか安心する。 赤い瞳の男… 紅 そうだ『コウ』にしょう 彼は気に入ってくれるだろうか…
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

58人が本棚に入れています
本棚に追加