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「帰るぞ、ハルキ
他の食料ならば、私が捕まえたのが有る。
じきに暗くなるしな」
そう言って
三匹の化け物を器用に担ぐコウは、先頭を切って歩き出した。
春先だった季節は、今や秋にさしかかっていた。
コウの『発情期』は、まだ来ていない様だが
時々、苦しげに何日も部屋に籠る日も有る。
コウは、一週間程度なら飲まず食わずでも平気だった。
その為に、春樹に貯蔵の物を食べる様に言っていたのだが
いつの間にか森へ繰り出す様になり
コウの知らぬ所で春樹は、いつの間にか逞しくなってしまっていた。
いや…
凛々しい春樹も、なかなか色っぽいとは思うのだが…
春樹が遠くに行ってしまった様で
寂しいコウ。
それに何故か春樹は、呪文なしに火力特有のスキルを身に付けて行った。
今や明らかに上級者クラスのスキルを操っている。
化身である日本刀は、必要無いときには己の中に戻すのだが
それも呪文なしで出し入れしている。
それに
何にしても、上達スピードが異様すぎた。
明らかに普通の人間ならば
3年は、費やすであろうスピードで上達しているのだ。
限界値が存在する筈だが
もし、それが私の力より巨大な物だったら…
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