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お別れ #2
外に出た春樹は、何度か魔物に襲われつつも
全て退治してしまっていた。
まだ…
まだ足らない。
そう、思い突き進む春樹
いつの間にか、魔物の群れを一掃していまっていた。
血塗れで佇む。
こんな事しても…
コウが居ない寂しさは、拭えなかった。
「あれ~
珍しい人に出会ったなぁ」
突然、声が直ぐ後ろから聞こえ
ハッと、振り返る。
咄嗟に間合いを取った。
「お前…」
相手を見て驚いた。
コウ曰くの兄
裸野郎だ。
「へー
四六時中、裸でいる方なのかと思いましたよ」
そう、思わず皮肉る春樹
「王と同じ事を言うんだね」
そう言って兄は、春樹を見て笑った。
その口調からは、兄の感情を読み取る事は出来ない。
一方
春樹は、警戒心を剥き出しにし
兄を睨む。
身動き一つでも取ろうものならば
直ぐ様、斬りかかる勢いだ。
「そう警戒しないでよ。
何もしない。
僕だって、王を傷付けたくはないからね。
少し、一緒に来てくれるかな?」
そう言うと兄は、春樹に背を向けた。
そして
春樹が着いて来る事も確認せずに、足を進める。
春樹は、少し迷ったが
十分に距離を保ち
警戒しつつも、兄の後ろに着いていく事にした。
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