一緒に #2

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一緒に #2

驚いて振り向く春樹 「久しぶりだな」 二つの月に照し出され、浮かび上がる顔 春樹に笑い掛けていたのは 「コウ…」 そう、コウだ。 春樹は、幻ではないかと目を擦った。 「お前の匂いを感じて迎えに来たのだが… どうやら討伐されそうだ」 コウは、そう口にし 寂しげに微笑む 「コウ…」 コウには、何もかも解っている様で 「俺は、コウを倒す気なんてないです。 会いたかった」 春樹は、コウに涙ながらに訴え 抱き着いた。 「ハルキ… しかし お前は、人間を連れて来た。 解らぬ」 コウは、躊躇いがちに春樹の肩を掴んで押し返した。 春樹は、コウに信じて貰えなかった事が辛い。 「お前が何を考えているのか… 解らぬ」 そう、切なげに呟くコウ 「それでも… 俺に会いに来てくれたんでしょ? コウは、俺を信じたい筈です。 俺は、貴方を裏切る積もりはない」 春樹は、そう断言し コウを真剣な目で見詰めた。 信じて欲しいと。 「ハルキ… なら、なぜ人間を」 「すみませんコウ 俺は、勇者でした。 忘れてしまっていたんです。 でも、俺は…」 不安げな声を出すコウに、説明する春樹 しかし 言葉が続かず、途切れてしまった。
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