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こんなに愛しているのに、敵対関係だなんて辛すぎる。
「そうか…」
コウは、それだけ言うと
春樹を抱き締めた。
「信じてくれるのですか?」
俺の想いを…
「解らぬ。
しかし、信じたい…
冷えるな。
さぁ、私の城に行こう」
コウは、複雑な思いだった。
春樹の心が読めたら、どんなに楽か。
しかし、裏切られてもいい
このまま戻って殺されても…
ハルキにはらば本望だ。
私と、ハルキの思いでの詰まったあの城で
例え、偽りであったとしても
自分は、幸せであったのだから。
コウは、そっと春樹を抱き上げた。
『コウ…』
そう、口にしょうとした春樹だったが
言葉は、続かなかった。
「~~~!」
何処からか呪文が聞こえ
次の瞬間には、自分は地面に転がっていた。
「クッ」
肩膝を着くコウが目に入る。
コウは、腕を押さえていた。
真っ赤な血が滴り落ち、地面に血溜まりを作っている。
あれは、コウの血!?
「コウ!」
コウの名前を呼び、直ぐ様駆け寄ると
コウの腕を確かめる様に見詰める春樹
だが
コウの腕が有った場所には、もう何も無かった。
何が起こったのか解らず、頭が真っ白になる春樹
何!?
どうして…
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