第1章

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その後、新太と連絡が取れ空き教室で合流した。 「このあとどうする?」 「咲良ちゃんのクラス行きたい」 「あー、優子の妹か。そうだね、そこ行くか」 「…あれ」 ポケットに手を入れて、何かを探している龍也。 「どした?」 「あ、いや家の鍵落としたっぽい」 「落とした覚えないの?」 「ちょっと探してくるから先行ってて」 龍也はとりあえず中庭から見ていくことにした。地面を見ながら歩いていると、何度も人とぶつかりそうになった。 「ない、」 「何やってるんですか?」 顔を上げると、エプロンをつけた在学生。 「さっき、クレープ買ってくれましたよね?」 「あ、うん」 その子はクレープを売っていた1年生だった。 「他の人はいないんですか?」 矢継ぎ早に質問をしてくる彼女に困惑しながらも龍也は答えた。 「…鍵見てない?」 「鍵、ですか?んー、見てないですねー。あ、もしよかったら私も一緒に、」 「見てないならいいや、ありがとう」 女の子の言葉を遮り、また龍也は地面を見ながら歩き始めた。 あと思い当たるところは、屋上だが先ほどの女の子がいると思うとなるべく近づきたくない。 龍也は誰もいませんようにと祈りながら、屋上に向かった。
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