第1章

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それからすぐに龍也は彼女に別れを告げた。 「もう終わりにしよう?」 「え…?なんで?わたしのこと嫌いになったの?」 ぽろぽろと大粒の涙の流して、龍也にすがる彼女。 「違うよ、由里ちゃん、好きな人いるんでしょ?」 「…何言ってるの?」 「由里ちゃんといれて楽しかったよ。ありがとう」 「…誰に聞いたの」 「何が?」 「高校生の彼氏がいるってだれかに吹き込まれたんでしょ」 さっきまでの溢れんばかりの涙はなく、怖い顔で龍也を見る彼女。 「…聞いたよ?だから、もう俺はいらないでしょ?」 それから彼女とは一度も話すことなく、彼女は中学を卒業していった。 龍也の初恋は最悪の形で終わることとなり、そこから龍也の女嫌いが始まった。 そのことを知っているのは、同じ中学だった海斗。そして高校から仲良くなった新太と円。 ブーブー 昔の記憶に浸っていると、携帯が鳴った。 「もしもし」 『あ、龍也?お前、どこにいんだよ』 電話の相手は新太だった。なかなか戻ってこない龍也にしびれを切らして、電話をしてきたのだろう。 「今、屋上。すぐ、戻るよ」 電話を切って、立ち上がった。パンパンとズボンについたほこりを払い、屋上を出た。
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