第2章

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その白い猫は気持ちよさそうに伸びをして、ベンチの横に座っていた。 「お前もひなたぼっこしてるの?」 龍也は猫を持ち上げて、膝に乗せた。はじめはびっくりしていた猫も優しく撫でると、すぐにおとなしくなった。 「…っ、くしゅん」 猫を撫でていたらくしゃみが出た。 「風邪かな」 ブーブー 「あ、円ちゃんだ」 ディスプレイには円の名前が表示されている。 「もしもし?」 『りゅうくん?今、大丈夫?』 「大丈夫だよ」 『良かった。あのね、今日夜空いてないかな』 なんだか声のトーンが低い円。高校を卒業しても、ふたりの関係は全く変わっていない。 「いいけど、新太はいいの?」 『…知らない』 一瞬言葉に詰まった円。こういうときは決まって新太となにかあったのだ。 「喧嘩したの?」 『…そんなんじゃないよ?でも、』 「分かった。今日バイトだからshineきてもらってもいい?」 shineは龍也のバイトしているホストクラブの名前だ。 『あ…、りゅうくん今日バイトなの?じゃあ、別の日でもいいよ?』 「どうせ平日だし、そんなにお客さんこないよ。待ってるからさ、おいでよ」 『…ありがとう、りゅうくん』
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