第2章

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その日の夜、龍也は繁華街を歩いていた。繁華街の一角にあるビルの地下に入ると、黒い扉がある。龍也はそこに入っていった。 「おはよーございます」 「翔おはよー」 ひとつこの扉の中に入れば、龍也ではなく翔となる。 龍也はロッカールームでシルバーのスーツに着替え、手慣れたように髪をワックスでセットしていく。 「あ、龍也おはよ」 shineの中で、唯一龍也と呼ぶのは彼のおじである和樹だ。 「おはよー。あ、ねえ今日俺の友達くるけどいい?」 「いいよ。ただし混んでるときはしっかり働いてもらうからな」 「はーい」 「あ、そうだ。ミネラルウォーター切れそうだからさコンビニ行って適当に買ってきてくんない?」 「えー、」 「頼むよ。今日黒服人手足りないんだよ」 手を合わせてお願いをされ、既に支度も終わっていたため、龍也は渋々お店を出た。 外は徐々に人が増えていた。人混みを避けるため、龍也は細い路地に入った。 「…ん?」 路地の先にスーツを着たおじさんが制服を着た女の子の腕を掴んでいる。 「つか、うちの制服じゃん」 その女の子は旭ヶ丘高校の制服を着ていた。
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