第1章

2/13

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/84ページ
高校を卒業して気づけば3ヶ月。梅雨に入り、じめじめとした日々が続く。 「仲田ー、今日暇?」 大学に入り、仲良くなった大河。人見知りでそっけない態度ばかりの龍也になぜがぐいぐい話しかけてきて、仲良くなった貴重な存在。 「ごめん。今日ちょっと用事ある」 「えー、まじかよ。カラオケ付き合ってもらおうと思ったのに」 「ごめんって。また今度行くからさ」 「あ、そうだ。来週の金曜日合コンあるから開けとけよ」 合コンという言葉を聞いて、龍也の顔がひきつる。 「行かないってば。合コンは他のやつ誘って」 「なんでだよー。お前こないと女の子こないじゃん」 大学に入っても、髪は相変わらず茶色いし、編み込みも毎日ではないにしろやっている。変わったことと言えばピアスを開けた。それでも、成長しむさ苦しくなってくる男たちの中で相変わらず中性的な見た目の龍也は女の子にモテる。 「海斗誘えば?絶対くるよ」 海斗と龍也は同じ大学に進学した。そして、同じ学部であるため相変わらずよくつるんでいる。 「嫌だよ。あいつくると女の子全部もってかれる」 「俺のこと呼んだ?」 知らないうちに、海斗が近くにきていた。 「うわ、森田!なんでいんだよ」 「龍也遅いから迎えにきたの。新太から早くしろって電話きた」 「あ、ほんと?じゃあ、大河俺もう行くわ」
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加