第2章

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「初めまして、翔です」 指名が入るまでは新規の客にどんどんついていく。 「翔くん、若いね。いくつー?」 初めて来店したというOL2人組。 「内緒。お姉さんは?」 「えー、翔くんが教えてくれたら教えてあげる」 「じゃあ、当ててあげる。お姉さんはー、」 じっと目を見つめて、年齢を考える振りをする。 「翔さん、指名です」 黒服が呼びにくる。黒服が指すテーブルを見ると、小さく手を振る円の姿。 「分かった」 龍也は客の方をもう一度見つめる。 「お姉さん、俺呼ばれちゃったから行かなきゃ。次くるときに年教えてあげるね」 にこっと笑って、テーブルを離れた。 「円ちゃん、お待たせ」 「ごめんね、接客中だったのに」 「いいよ、大丈夫。多分、また来てくれると思うから」 「ふふっ、すごい自信」 口元に手を当てて楽しそうに笑う円。 「あ、円ちゃん飲み物何でもいい?」 「うん」 龍也は黒服を呼び、何かを頼んだ。 「で、何があったの?」 「え?」 「何かあったから俺のとこきたんでしょ?」 「…りゅうくんには隠し事できないね」 ちょうど、龍也が頼んだ飲み物が届いた。白っぽい液体の入ったドリンクとピンク色のドリンク。
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