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「はい、円ちゃんどうぞ」
円の前に置かれたのは白いドリンク。
「これ、なあに?」
「ノンアルのね?杏仁カクテル」
「へえ、おいしそう」
「俺のはイチゴミルクカクテル」
「りゅうくん、大学入ってもイチゴミルク好きなのは全然変わってないね」
少し気持ちが和らいだのか、円はぽつりぽつりと話し始めた。
「…最近ね、新太変なんだ。なんか、変わっちゃった」
龍也は相づちを打ちながら真剣に円の話を聞いた。
「変わったって、どんな風に?」
「はっきりとは言えないんだけど、前より遊ぶ回数とかメールの回数が減ったり、態度も素っ気ないっていうか…、」
「それは大学入って忙しくなったとかじゃなくて?」
「でもね、前はみんなで遊ぶときに男の子も混ざってたら嫌な顔してたのに、最近は笑顔で楽しんでこいよって言ってくるの」
眉が下がり、悲しそうに話す円。
「そっか。でも、前は新太が束縛激しすぎただけだし、普通になったってことじゃない?」
「…新太はもうわたしに飽きちゃったんだと思う」
「円ちゃん…、」
いつも笑顔の円が泣きそうに話す姿を見て、龍也はなんて声を掛ければいいか迷った。
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