第2章

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-新太Side- Shineを出て、目的もなく3人は歩き始めた。 「これからどうする?」 「はい!カラオケ!」 海斗の友達の大河が手を挙げて言う。挨拶程度しか話してないが、うるさいやつだということはすぐに分かった。 「カラオケ?新太はどっか行きたいとこある?」 「いや、まかせるよ」 「じゃあ、カラオケ決まり!」 ずんずんと先頭をきって大河が歩いていく。 「あ、そういえばさっきの可愛い子名前なんて言うの?」 「円のこと?」 「円ちゃんって言うんだー、名前も可愛い」 円のことを思い出しているのかぽけーっとだらしのない顔になる。 「海斗知り合いなんだろ?紹介してよ!」 「こいつ、彼氏」 海斗は新太を指さして言った。新太も気まずそうに笑う。 「…え?」 「悪いな」 「え?え?えー!!彼氏なんすか?円ちゃんの!!??」 「うん」 驚いて何度も新太と海斗の顔を見る大河。 「高1のときから付き合ってるから、諦めた方がいいぞ」 とどめの海斗の言葉に一気に沈む大河。 「どうやって、あんな可愛い子落としたんすか?」 詰め寄って聞く大河に新太は驚いたが、新太は優しく笑った。 「どうやって、か。どうやったんだろうな、奇跡が起きたのかな」
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