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くだらないことを話しながら、待ち合わせ場所であるカフェに向かった。
「あー、なんか腹へったな」
「もうじきお昼だもんね」
「すいません。芸能界とか興味ありませんか?」
スーツを着た男の人に声を掛けられた。名刺には聞いたことのある事務所の名前。
「ふたりともかっこいいし、特に君なんか背が高いしモデルも出来そうだよ。君も可愛い顔してるからアイドル路線でやれると思うし」
「人待たせてるんで、すいません」
海斗が断って、歩き出そうとするとその人は前に立ちふさがった。
「話だけでも!少しでいいから!」
「いや、ほんとに大丈夫です」
「もしかして、もうどこかの事務所に入ってるんですか?」
「そんなことはないですけど、」
「じゃあ!」
必死に頼み込むその人を少し気の毒に思った龍也だったが、芸能界なんてこれっぽっちも興味はない。
「ごめんなさい、興味ないです」
「じゃあ、これ!少しでも興味持ったら連絡だけでもしてほしい」
A4ほどの封筒をふたりに押し付けるように渡された。封筒には事務所の名前が書かれている。
押し返す訳にも行かず、ふたりは封筒を持って新太たちが待つカフェに向かった。
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