第1章

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大きな道路に面していて、テラス席もある若者に人気のカフェ。 お店に入り、店内を見渡すと4人掛けのテーブルに座る新太と円が見えた。案内の店員に待ち合わせであることを伝え、新太たちの席に行った。 「おまたせ」 「おせーし」 高校最後で黒くした髪はあっという間に明るい髪に元通り。今はアッシュ系の金髪でふわふわとした仕上がりは相変わらずである。 「久しぶりだね」 円が驚いたように声を出す。円は黒くてストレートだった髪を、落ち着いた茶色に染め、全体をゆるく巻いている。 「うん、久しぶり」 大学に入学してからこうやって4人で集まるのは初めてだった。 龍也は円の隣に座り、海斗は新太の隣に座った。 「あ、それ」 円が龍也の手元を見て、指さす。 「ん?」 「りゅうくんも声かけられたんだ」 困ったように笑った円の手にも、龍也たちがもらったものと同じ封筒。 「円ちゃんも?」 「だから、あの道通んなっつたじゃん」 新太がふてくされたように言う。 「だって、新太先に行ってるって言うんだもん。駅からあの道通るのが一番早いでしょ?」 「あそこいつもスカウトしてんだよ。定番スポット」 「そうなんだ、知らなかった」 海斗はまじまじと封筒の中身を見ながら呟く。 「つか、そこの事務所近いしね。話しやすいんじゃない?」 「新太詳しいね」 「円にとって良くないものは全部調べ済みだから」
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