第1章

7/13
前へ
/84ページ
次へ
たくさんの人に賑わう高校。制服私服の人が入り乱れ、OBOGと思われる人も見える。 「懐かしいね」 円が周りを見渡しながら言う。 「あ、円先輩じゃないですか!」 校門で、文化祭のパンフレットを配っていた子が驚いたように声を上げた。 「咲良ちゃん久しぶり」 楽しそうに話すふたり。彼女は1個下の子で、優子の妹だ。 「円先輩まだ新太先輩と付き合ってるんですね!もう羨ましいです」 「えー?そんなことないよ?あ、咲良ちゃんのクラスなにやってるの?」 「うちのクラスはお化け屋敷です。あとミスコンもやってるんで見てってください。でも、やっぱり円先輩いたときほど盛り上がってないんですよ~」 楽しそうに話す二人をよそに、パンフレットを見てどこに行くか話す残りの3人。 「あ、焼きそば売ってんじゃん。俺、お腹すいた」 「どこ?中庭?」 「俺、クレープ食べたい」 「クレープどこにあんの?」 「中庭じゃない?」 焼きそばを食べたい新太とクレープを食べたい龍也。たまたま食品の屋台はすべて中庭にあるらしく、3人はまずは中庭に行くことに決めた。 「円ー、飯食いに行こ」 「あ、うん。じゃあ、咲良ちゃんまた後でね。お化け屋敷絶対行くね」
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加