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「どうした?倉橋」
「いえ!別に、大丈夫です」
あたしは、ブンブン頭を振って、竹中先生に答えた。麻里は、慌てるあたしを見て、声を出さずに笑っている。
「そうか……じゃあ、次!富田!」
「はーい!」
竹中先生が出欠確認を続けてゆく中、あたしはがっくり肩を落とした。
あ~あぁ!…さいっ悪!!
一昨日、定規をなくして、ちょっと凹んだのに、今日なくしたのは、ケイが旅先で買って来てくれたご当地のレアなキャラ物キーホルダー。
よりにもよって、ケイから貰った物をなくすなんて、バカ!バカ!バカ!
こんなモノに気を取られていたからだ!
どうせ、誰が出したのかわかるわけないんだから、無視!無視!
またも手紙に八つ当たり。
忌々しい思いで、手紙を鞄の中へ突っ込んだ。
そう…この時は微塵も考えていなかった。
この手紙の存在に、これから大きく惑わされてゆくなんて。
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