03 #2

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そして、あたしは視線を渡り廊下へと移した。 一年生は必ずそこを通り、教室へと向かう。 あ…来た。 シンは下駄箱でクラスメイトに会ったのか、同級生らしき男子と並んで出て来た。 その後ろから、ケイが姿を現して… 「あれ?今、双子君の1人、こっち見なかった?」 「……そう?気のせいじゃない?」 視力の悪い麻里にはハッキリとは解らなかったみたい。   だから、適当に誤魔化したけれど、今、ケイと目が合った。気のせいなんかじゃない。 ケイ、こっそり笑ってくれた! 視力が良くて、良かった! きっと、他の人には、あの微妙な変化はわからない。あたしにはわかる、ケイの柔らかい表情。 それを見逃さなかった自分を自画自賛。 ・
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