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学校という空間は特殊で、あたしがケイとシンの傍へ行くことを憚れる。
近付きたくても近付けない距離。
たった1日が、一学年の差。
大人になれば、この差はたいしたことないかもしれないけど、10代のあたしには、とても焦れったくて、もどかしい。
この距離は恐怖だ。
あたしの知らない所で
あたしの知らない間に
ケイがどこかに行ってしまいそうで。
シンに初めて彼女が出来た時、その恐怖を目の当たりにした。
ケイにそっくりなシンの隣に、二人の同級生の知らない女の子。それだけでもショックだったのに、別れた途端に知らん顔。
もし、これがケイだったら…
だから、あたしは特等席にしがみつく。
『幼馴染』でいる限り、学校以外なら、何があってもケイの傍にいることを赦される。
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