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「悪戯…かもしれない。でも、それにしては余りにも作為的すぎて、何か引っ掛かるんだ」
私は、机の下でケイの制服の裾をギュッと握る。そうしないと不安で。
「文面通りに受け取れば、結局、自分は倉橋さんの近くにいる奴だって主張したいんだと思う。君に、自分の存在に気づけと」
「そんな!名前も何もないのに!」
こんな訳のわからない手紙で、正体がわかるはずがない。
「その通り。だけど、相手はこれで君に通用すると思っている。そこが問題だ」
「ちょっと!セッ…んせいが生徒を脅してどうするの!?」
「いや、そういうつもりは…」
不安を掻き立てるような話し方をする竹中先生を、辻先生が非難する。
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