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「お前の考えていることはわかるよ。でも、やっぱり一人は危ない。だって、途中からお前と同じ方向の奴はいないだろ?」
「そうだけど…」
「友達の麻里さんだっけ?彼女の家、反対方向だろ?」
「…うん」
あたし達の家は、学校から結構離れていて、そこの地域からこの学校に通う生徒は極端に少ない。
だから、家の近所まで一緒に登下校出来る友達はいない。
「だったら、やっぱりダメだ。一緒に帰るぞ」
「いや!でも、あの!ダメだよ!ダメダメ!」
「あの時とは違う。俺らも高校生になった。大丈夫」
「そんなの関係ないよ!」
普段穏やかなケイがこんな風に強引な時は、なかなか意見を譲ってくれないことをあたしはよく知っている。
でも、ケイと一緒に帰るのは、どうしても避けたい。
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