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なんとなく誰もが言葉を発せず、じっとしていると、気持ちを切り替えたように、ガバッと勢い良く辻先生は顔を上げた。
「では、倉橋さん。あなたは今度の体育祭で、校歌の伴奏をしてちょうだい」
「は?え?伴奏?」
「そう。伴奏。古賀君と一緒に」
「ええ!?ケイと!?」
「うちの校歌の伴奏、かなり難しいの。だから、連弾」
「連弾…」
急な申し出に頭がついていかず、ポカンとしてしまう。
「じゃあ、放課後、一緒に練習してもいいですか?」
「ええ。もちろん」
ケイの言葉で、漸く辻先生の意図がわかった。
これって、大義名分だ…!
ケイと一緒に帰る尤もな理由を作ってくれたのだ。
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