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05 #3
「でも、コイツ、嘘つくの、めちゃくちゃ下手くそですけど、大丈夫ですか?」
「なっ!」
ケイが親指であたしを指差した。
これこそ失礼な言いようだ!!
あたしは口をとがらせ、バシッとケイの腕を叩いた。
「そんなことないもん!」
「そうか?お前、嘘つく時、鼻の穴が広がってるぞ」
「うっ、嘘だあっ!」
咄嗟にガバッと両手で鼻を隠す。
「クククッ……嘘つく前に鼻隠しても意味無いし」
肩を震わせ笑いを堪えるケイの腕を、もう一度ペシンと叩いた。
「嘘が上手いって言われるより、よくないか?」
「……何の自慢なのよ。それ」
ぷうーっと頬を膨らませ、失礼極まりない男を睨むけど、何の効果も無さそうだ。
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