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「…っ……うぅッ…」
トイレの個室に入った途端、とうとう零れ落ちた涙。
『私達の時間はとうに過ぎてしまったんだよ』
自分で言った言葉に、自分が一番傷ついている。
『後悔したくなかったから』
古賀君の強い言葉が、キラキラしていて眩しかった。
ひょっとしたら、私は彼らに肩入れしすぎているのかもしれない。
自分達を重ね合わせて。
教師としては、生徒とは平等に接しないといけないけれど。
頑張ってほしい。
どうか、私達のようにならないで。
自分の叶えることのできなかった初恋を二人に託すように、私は願う。
ショパンの調べは、もうここまで届いては来なかった。
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